丸刈りと寒風

今年の九月ごろに思いついて丸刈りにした。

適当な理容室に入って「丸刈りにしたいんですけど」と聞くと、ちょっと困惑した様子で「長さはどうしますか」と聞き返された。バリカンに付けるアタッチメントで、ミリ単位で調整できるらしい。その時の髪は耳が半分隠れるくらいの長さだった。

よくわからないし「一番短いのでお願いします」と言うと、慌てた様子で「0.8ミリとかになっちゃいますよ」と言う。理容師は「かまいたちの二人を一人で体現しました」みたいなヴィジュアルだった。

「でも短くしたいので、いいですよ0.8ミリで」

「いやさすがに…。5ミリとかでもできますし」

5ミリってどのくらいの長さだろうな、と思った。そりゃ5ミリは5ミリだけど髪型になると想像がつかない。黙っているとかまいたちは、「じゃ、せめて3ミリにしましょう。3ミリで」と言う。

「うーん。じゃあそれでお願いします」

結局こちらが妥協する形で、3ミリに丸刈られることになった。

 

予想以上に3ミリは短く、外気温の影響をもろに受けた。

刈ってもらった9月ごろは暑かったから、車の近くに立つと、頭部を襲う排気の熱にいちいちびっくりした。寝ようとすると、枕から反射する自分の体温が熱くて寝苦しかった。

 

で、半年たって今は冬である。

およそ一か月ごとに3ミリに刈りなおしてもらっており、先週もまた刈ってもらってきたので今も頭は3ミリしかない。

コレがものすごく寒い。

あたりまえと言えばあたりまえだが、髪の毛による保温効果はすごかったらしい。

風が吹くと一瞬で頭部の体温が失われるのがわかる。おかげで全体的に身体が冷えやすくなった。そのせいか先月はひどい風邪を引いた。

 

外出時に帽子をかぶるのは当然として、家にいる時も頭がなんだかうすら寒い。

厳冬を迎える前に、ルームキャップを買おうかなと考えている。

 

丸刈りをやめる予定は、今のところない。